「日本さくら名所100選」にも選ばれている新潟県燕市の大河津分水桜並木などを舞台にした「分水おいらん道中」が13日、行われた。あいにくの雨にもかかわらず満開の桜の魅力が勝ったのか、昨年の1万6000人を大きく上回る2万1000人の人出(主催者発表)があり、桜花爛漫な舞台で豪華絢爛なおいらんが来場者を魅了した。
分水おいらん道中は、1924年(大正13)ごろ地元の有志が花見客向けに仮装行列を行ったのが起源。22年(大正11)に通水した大河津分水の土手に植えられた1,500本にものぼる桜と景勝を全国的に宣伝しようと、36年(昭和11)ごろからにぎやかに行われている。
ことしは第80回の節目。公募で選ばれた信濃太夫、分水太夫、桜太夫の3人のおいらん役をはじめとした61人で行列を編成し、大河津分水桜並木と地蔵堂本町通りの2カ所で時代絵巻を披露した。
三味線のはやしをBGMに行列を進め、途中で何度か行列を止めて行う外八文字が見せ場。おいらん役が高さ15センチの三枚歯黒塗りの高げたをゆっくりと外へ振り出して前に運ぶと大きな拍手でわいた。
大河分水桜土手ではおいらん役の体調不良もあって出発が30分ほど遅れ、リタイアすることもあったが、地蔵堂本町通りでは3太夫がそろって大役を果たした。
おいらん道中の間、春雨という言葉がふさわしい弱い雨が降ったりやんだりした。来場者の出足も鈍るかと思われたが、分水おいらん道中と桜の花の見ごろが合うのは珍しい。ことしはぴったり満開のジャストタイミングとなった。
雨をおしても満開の桜とおいらんで春を感じる魅力が勝ったようで、来場者が多かった。とくにことしは2会場の順番を入れ替えて先に行った大河津分水桜並木の観衆が昨年より目に見えて多かった。
また、記念写真撮影ができるおいらんの染井吉野太夫役をBSN新潟放送三石佳那アナウンサーが務め、新潟県住みます芸人いっすねー!山脇さんも登場。両会場でステージイベントやマルシェも行われてにぎわった。