公益財団法人燕三条地場産業振興センターは、8日から10日までの3日間、米国ニューヨーク・ブルックリンで魅力的な燕三条製品をPRするポップアップイベント「Tsubamesanjo Pop-Up」を開いた。
ブルックリンの観光地、ダンボ地区のギャラリーカフェ「usagiと_newyork」を会場に開いた。出展企業は爪切りのSUWADA、おろし金のTSUBOE、精密加工のTAKAKUWA KINZOKUなど地元を代表するメーカー。伝統とデザインを融合した製品が並び、数点は現地で販売も成立したという。担当者は「最初は不安もあったが予想以上の反響だった」と手応えを語る。
出展は6社で、燕市の(株)ツボエがおろし金、 下村企販(株)が 珈琲用具「KOGU」、高桑金属(株)がカトラリー、株)Ibizaが知育玩具、三条市の(株)諏訪田製作所が爪切り、(株)野崎製作所がオブジェをそれぞれ出展した。
各社とも独自の世界観を醸し出すなか、ツボエのirogamiシリーズのおしゃれなおろし金はニューヨーカーにも受け入れられ最高のセールスを記録した。高桑金属が販売するキュートでポップなデザインのカトラリーには「Cute!」の声が 飛び交った。
アメリカ初挑戦のIbizaの組み木「KUMIKI NO MORI」はキーホルダー作りワークショップやストーリー性のある高品質な知育玩具をPRし、現地の主婦層や若年層の心をつかんでいた。
会場はパリや香港にも拠点をもつ日本人オーナーが運営するスペース。ふだんから弁護士やオフィスワーカーが立ち寄る場所で、ふらりと訪れた客も多く、展示品を手に取る姿が目立った。6社合計で188点、約80万円の売り上げがあった。
燕三条地場産業振興センターは、毎年のように海外で燕三条製品の展示販売を行っている。今回の会場の選定について担当者は「従来は日系スーパー内の会場で開催してきたが、より洗練された空間で魅力を発信したかった」と言う。
初日には現地コーディネーターがプロデュースしたVIPレセプションを開き、アメリカ流のホームパーティー形式で現地のアーティストやリテーラーとの出会いや交流が生まれた。担当者は「成果もあり、良い経験になった」と振り返り、今後の展開に意欲を見せている。