看護科・看護専攻科で看護師になるための県内唯一の5年一貫教育で正看護師を育成する加茂暁星高校(仲野孝学校長・新潟県加茂市)は29日、加茂文化会館で看護科3年生29人の戴帽式(たいぼうしき)を行い、これから本格的な病院実習に向けて看護師という職業へ向かう姿勢や責任の重さを自覚した。

加茂暁星高校では、看護科3年間で普通教科と専門教科を学んだあと、看護専攻科2年間でさらに専門性の高い授業と実習を通して看護師としての実践力を身につける。
戴帽式は毎年恒例。戴帽の儀で3年生は順に登壇し、女子はナースキャップ、男子はハンカチーフを着けてもらい、ナイチンゲール像からともしびを自分のろうそくに移してひな段に整列。照明を落としたなかで、声をそろえてナイチンゲール誓詞を斉唱した。

仲野学校長は式辞で、「皆さんには人間に深く関わる看護の仕事や、ナイチンゲールについてあらためて考え、これから始まる病院実習への決意と覚悟を決め、必ずやチーム医療の一員として活躍する看護師になれるよう期待している」と述べた。
加茂暁星高校を運営する学校法人加茂暁星学園の阿部松雄理事長は告辞で「きょうの期待を胸に刻み、仲間との支え合い、看護の本質を追求し続けていく、皆さんの未来が感謝と信頼に満ちたものであることを心より祈念する」と述べた。

来賓の藤田明美加茂市長代理の山川雅巳教育長は「皆さんのような志高き若者がこの道を願い、学び、成長していくことは、わたしたちのまちの未来にとって何よりの希望」と祝辞を述べ、期待した。
先輩の看護専攻科2年生は自身が実習から学んだことを振り返り、「うまくいかなくて当たり前、大切なのは新しいことに挑戦する姿勢」と背中を押し、「仲間や医師と力を合わせることは、皆さん自身を支えるだけでなく、最終的には患者さまにとって最良の看護へとつながっていく」と励ましの言葉を述べた。

閉式後、wacciの「空に笑えば」を全員で合唱した。会場には3年生の保護者も訪れた。張り詰めた雰囲気の戴帽式で緊張する3年生とは対照的に看護師への新たな一歩を踏み出す3年生に目を細めていた。