新潟県阿賀町に工場をもつ自動車・二輪車用ゴム製部品製造の長野ゴム工業(株)(資本金3000万円、東京都西東京市)は、9月30日までに実質的に事業を停止した。今後、自己破産を申請する方針で負債はことし1月期末時点で受取手形割引高を含め約14億1300万円。
帝国データバンク新潟支店の調べでは、同社は1939年10月創業、54年に法人改組された自動車・二輪車用ゴム製部品メーカー。静岡県袋井市と阿賀町に工場があり、大手自動車部品メーカーを主力取引先に二輪車部品メーカーや農機具メーカーなどから、エンジン系キャップやメーターパッキング、サスペンションプーツカバーなどを受注製造し、2008年1月期には年売上高約14億3000万円を計上していた。
12年には金型製作を担当していた関係会社を合併して金型製作を内製化し、上流工程から受注。約1500パーツもの多品種少量生産にも対応可能とすることで大手企業との競争力を維持していた。
しかし、国内自動車販売が減少傾向のなかで売上高も減少し、23年1月期の年売上高は約7億9800万円に低下していた。
24年1月期には、過年度の不良債権を特別損失として計上したことで大幅な欠損となり、債務超過に転落。25年1月期には年売上高約9億4100万円に回復したものの、過大な棚卸資産や年売上高を上回る金融機関からの借入金が負担となり、厳しい資金繰りを強いられていた。