新潟県燕市の鈴木力市長の任期途中の辞職に伴う市長選(12日告示、19日投開票)向けた立候補予定者公開討論会が9日、燕市中央公民館で開かれた。約100人の市民が来場し、いずれも新人で立候補を表明している佐野大輔氏(41)と佐々木剛氏(59)それぞれの燕市政に対する考えを聞いた。
一般社団法人燕三条青年会議所(齋藤和也理事長)が主催し、ライブ配信も行って同時接続数は多い時で100人ほどになった。齋藤理事長は冒頭、若者の政治参画意識や投票率の低下が顕著になっているが「ふたりの話を聞いて判断のきっかけにし、来ていない人にもぜひ候補者の思いを伝えてほしい」とあいさつした。
公開討論会支援団体「リンカーンフォーラム」が進行し、9つの議題について交互に話してもらった。うち2つはSNSで募集した要望の多かった質問で、さらに互いへの質問も行った。
佐野氏は「いろんな人から支持をしてもわらないと政策はできない。私は燕を愛して燕に住んでいる人たち、燕で働く人たち、そして燕で育つ子どもたちのために全身全霊で働きたい」。
佐々木氏は「民間での経験しかないが、民間での経験を武器にして、ユニークな切り口、あるいはしがらみのない公正公平な立場、姿勢でいろんなことにチャレンジしながら皆さんと一緒に新しいまちづくりに進んでいきたい」などとそれぞれ思いを語った。
現市政の功績を認めつつ、人口減少や産業の課題に対し、継続と発展、新たな発想での取り組みの必要性を訴えた。いずれも鈴木市政を高く評価し、継承を掲げていることから、考えに大きな違いは見られなかった。
ただ、地域間連携の重要性と課題についての質問では、佐野氏が「合併の議論と混同される部分があるが、現状で、直近では合併は考えていないという前提」としたのに対し、佐々木氏は「地域間連携と合併を混ぜて考えるのは少し乱暴だが、人口減少などを考えると自律的に発展していける地方自治体という意味では、やはりある程度の人口が必要だという理論はある」と述べた。
来場者は2人の陣営の運動員も多かった。2人の考えを直接、聞けて良かったという声があった反面、考えの違いがわかりにくかったと物足りなさを感じる人もいた。