浄土真宗大谷派三条別院(藤懿信麿輪番・新潟県三条市本町2)で5日、宗祖親鸞(しんらん)の祥月命日に向けたお取り越しの法要「報恩講」が始まった。

各地の真宗大谷派寺院で毎年、祥月命日よりも前に繰り上げて行うお取り越しが行われている。三条別院は毎年11月5日から8日までの4日間。三条教区を中心に門徒が参集して連日、晨朝(じんじょう)、日中、逮夜と法要が営まれ、その間に法話なども行われる。1年で最大の法要だ。
5日はことしも午前11時から報恩講お待ち受け音楽法要で幕を開けた。約300人の門徒が参拝に訪れ、読経とともに約100人の僧りょや門徒で編成するコーラス隊が仏教讃歌を歌った。

絶好の秋晴れに恵まれ、五色幕を下げ、扉を開け放った本堂から外へ歌声や読経、声明が境内に響いていた。
ハイライトは最終日8日、午前10時からの結願(けちがん)日中法要と午後1時10分からの京都教区響忍寺衆徒で大谷大学名誉教授の沙加戸弘氏による法話。それぞれライブ配信も行われる。
6日は午後7時半からシアターサンジョーゴボー第9回公演。本堂が一夜限りの舞台となり、芥川龍之介原作の「桃太郎」を原案にした演劇「汽水域」が上演される。入場無料。

5日、6日の2日間は恒例で境内と本寺小路で臨時露店市が開設される。加えてことしは7日午後2時から7時まで境内で三条商工会議所青年部主催の「集え!甘味の陣」が開かれ、親鸞があずきが好きだったという伝承にちなんで県内の人気甘味処約30店が出店する。