群馬県前橋市で7日開かれた「上州空っ風凧揚げ大会」に新潟県三条市の三条凧(いか)合戦の伝統を受け継ぐ三条凧協会(須藤謙一会長)が参加した。ことしで3年目の参加になり、初めて「上州けんか凧」として前橋の空で本格的な凧合戦が繰り広げられた。

群馬県にはもともと高崎を中心にけんか凧の伝統がある。前橋市の前橋商工会議所青年部「緑水会」は、前橋市政施行100周年記念で1992年から毎年、上州空っ風凧揚げ大会を開いている。
当時、緑水会の事業委員長だった石川将平さん(37)が新たな大会の形を模索し、全国の凧揚げ大会を調べて、三条凧合戦にたどり着いた。

2023年9月の秋季大会から三条凧合戦に参戦。翌24年2月の上州空っ風凧揚げ大会には、三条凧協会から50人以上が大挙して参加した。
石川さんは昨年10月11日に上州凧協会を発足させ、会長に就いた。三条凧協会の結城靖博副会長も上州凧協会の3人の副会長の1人に就いた。


そして三条凧協会が参加するようになって3年目のことしは、上州空っ風凧揚げ大会で初めて上州けんか凧を行った。たっぷり2時間の枠を設けて三条凧協会から参加した約40人と緑水会が三条凧合戦のルールに従ってバトルを繰り広げた。
この日の前橋はくもりで最高気温5.6度と低く、北寄りの風が強く、新潟で雪を降らせた渇いた赤城おろしの寒風が容赦なく吹き付けた。

弱い風でも揚がる三条六角巻凧には強過ぎる風だったが、誰でも揚げることができた。凧が引く力は体を持って行かれるほど強く、力勝負の凧揚げを体験した人は驚いていた。
真剣勝負とはいえ、三条の揚げ師たちは緑のはっぴを着た緑水会のメンバーの合戦も手伝ってあげた。空中で絡めた相手の糸を切るために滑車を使った“カラ”と呼ぶ道具を使って糸を引く勇壮な場面もあり、合戦に熱中した。


甲冑(かっちゅう)を装備して本格的な格闘演武やパフォーマンスを行う「本格格闘甲冑集団ー式ー」も参加し、前橋観光特使ローズ・クイーンも訪れ、小川晶市長もあいさつに訪れた。
ほかにもクジラやタコをかたどった25メートルもある巨大カイトや連凧、20畳の大凧も揚がった。キッチンカーがずらりと並び、働く車の展示もあって厳しい寒波にもかかわらず親子連れでにぎわった。

「寒い時はそんなお客さんが来ないことが多かったけどイベントが充実してきてお客さんが増えて,良かった」と石川さん。合戦では「ずいぶん点差が離れてちゃってるみたいで。相手が本場なので難しいかもしれないが、楽しんでくれればいい,と目を輝かせて糸を引いていた。
三条凧協会の須藤会長は「やっと前橋と三条と対戦ができるところまで来た。そんな関係性になり、いい大会になってきた」と三条にとっては前橋場所ともいえる合戦の実現を喜び、「より三条に近くなってくれたらいい」と互いの交流が深まり、盛り上がることに期待した。