新潟県三条市は17日、市議会全員協議会で令和8年度当初予算概要を示した。予算規模は一般会稽は538億8500万円で、前年度当初比3.7%(19億0200万円)増(3.7%増)。物価高騰と人件費増加が長期化する中、市民生活と地域経済の下支えを重視した編成となった。

特別会計との合計は745億9400万円で前年度比3.2%(22億8740万円)増。滝沢亮市長は全員協議会後の記者会見で「給食費の無償化と水道基本料金の減免が大きな柱」と強調し、物価高対策と産業支援に重点を置いた姿勢を話した。
重点事業として、小学校の統合に伴う飯田小学校の整備、道路などのインフラ整備、そして「道の駅 漢学の里 しただ」の道の駅機能の日帰り温泉「いい湯らてい」への移転に伴う八十里越交流拠点エリアの整備を挙げた。
ふるさと納税については、今年度は45億円から46億円の見込みであり、来年度も同ていどの寄付額を目指したいとの考えを示した。財政状況については、依然として厳しい状況が続くとの認識を示しつつ、将来を見据えた行財政改革に継続して取り組む姿勢を強調した。
国の重点支援地方交付金などを活用した物価高対策は、総額約11億300万円。このうち市民向けの主な施策として、水道料金の基本料金を6か月間減免(約3億1571万円)する。
市長は「配布ではなく“いただかない”方式が、事務経費を抑え最大限市民に還元できる」と合理性を強調。月10立方メートルまでの利用世帯(全体の約66%)では、1世帯あたり約7524円相当の負担軽減になる見込みを示した。
子育て支援では、小中学校給食費の無償化を2026年度の1年間限定で実施。関連予算は、小学校給食費無償化約7251万円、中学校給食費無償化約1億8747万円などを計上した。
滝沢市長は「2027年度以降は国の動向を踏まえ検討する」とし、恒久化は現時点で未定とした。
地域産業対策では、物価高やエネルギー高騰に直面する中小企業支援を強化した。主な事業は業績向上に向けた支援約2億3500万円、省エネ設備導入支援約1億6000万円、先端設備導入促進約2億円(交付金事業)、省エネ設備導入促進約1億3000万円(同)。
滝沢市長は「地域産業は厳しい状況が続いている。制度を積極的に活用してほしい」と述べた。
このほかの主な事業は次の通り。
〈子育て・教育〉
児童発達支援センター開設 約1億2023万円
医療的ケア児の日中一時支援 約1719万円
下田地域小学校統合準備 約2988万円
〈地域・インフラ〉
八十里越交流拠点エリア整備 約4540万円
道路ネットワーク強化 約9億4500万円
移住者確保・定住促進 約2000万円
〈防災〉
避難所備蓄強化 約6063万円
内水対策(浸水対策) 約1億3195万円
財政面では、経常収支比率は見込みで101.8%と高水準。ただ、今年度も当初は101.7%の見込みだったが、追加や臨時の交付金もあって最終的には97.3%となる見通し。ここ数年、当初の見込みでは100%超だが決算では100%を下回っているものの、自由度の低い厳しい財政状況が続く。