書は「白」で語る 長岡の書家・小黒哲也さんが弥彦の丘美術館で書展 (2026.2.21)

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新潟県長岡市在住の書家・小黒哲也さん(52)の本格的なギャラリーでは初めての個展となる「小黒哲也 書展 『白』は、語る。」が21日、弥彦村の弥彦の丘美術館で開幕した。会期は3月22日まで。タイトル通り余白を大胆に取り込みながら、会場を想定して大作や立体物を含め、空間にある書の世界を表現している。

小黒哲也さん
小黒哲也さん

小黒さんは1973年、和島村(現長岡市)生まれ。新潟大学大学院教育学研究科(書道科)修了。2000年県展新潟日報美術振興賞、01年芸展新潟日報大賞、21年新潟県文化振興財団賞などを受賞した。

新潟県美術家連盟常務理事、新潟県書道協会理事を務める。25年の三条市美術展では書道部門の審査員を務めた。現在は県立長岡農業高校教諭として教壇に立ちながら制作を続けている。

今回の書展に向けて制作した作品を中心に19点を展示する。壁画かと思うような250×720cmの大型作品「藤花図」が目を引く。1枚250×120cmのパネル6枚を自作してつなげて六曲屏風に仕立てた。

「小黒哲也 書展 『白』は、語る。」
「小黒哲也 書展 『白』は、語る。」

筆致を「文字」から解き放ち、線そのものを造形として扱った。フジの花や幹の表現は一見すると絵画のようだが、小黒さんは「幹などは大きい字を書く要領で書いている。元々は墨だけで描いた」と話す。

書の線をそのまま木の線に転用し、濃淡や勢いで立体感をつくる。途中からは色味も加えた。「白黒のテーマでも、白黒ばかりでは暗くなる。色もあった方がいいと思った」。

黒は墨、色はアクリル。墨は紙に染み込み混ざりやすいが、アクリルは上に乗せられるため、質感の違いが画面に奥行きを生む。2023年の作品だが、今回の書展の依頼を受けたあとで、美術館の会場を想定して制作した。

「藤花図」
「藤花図」

「井の中の蛙 大海を知らず」もユニークだ。井戸を模した立体物をパネルに紙を張って作り、その上面いっぱいに「井」と書き、中に小さく「蛙」と書いた。上にはつるべも下がる。

「井の中の蛙。狭い書道の世界にいる自分への自虐でもある」と言いつつ、「ただ狭くても井戸は深く掘れる」と、探究を続ける姿勢を重ねる。書は垂直に立っているイメージが強く、水平に展示してみたいという思いもあった。

「藤花図」の向かいの壁がくぼんだ空間に展示した。これも会場の形状を意識して制作した作品。平面中心になりがちな書の鑑賞体験を刺激してくれる。

「井の中の蛙 大海を知らず」
「井の中の蛙 大海を知らず」

ポスターのデザインに使った作品は「白は語る」。これもパネルを自作した240×330cmの大作だ。たっぷりと余白を残して全体から見るとわずかなスペースだけに筆を走らせた。

書を鑑賞するときは、人は黒い線や文字の意味に目を向けがち。しかし小黒さんは、あえて余白に視線をうながす。画面の中で書かれていない部分、空けられた空間が持つ意味。それを「白を描く」感覚で追求した。

会場特性を生かした構成も見どころのひとつ。「この会場だからこそできる展示」といい、壁面いっぱいに詰め込まないよう意識した。余白そのものを作品の一部とする空間演出は、書というよりインスタレーションに近い印象も与える。

「白は語る」
「白は語る」

「白には告白、白状の白という意味もある。今の自分をありのままに表現した」。テーマにはそんな思いも込めた。余白は沈黙ではなく、語りである。書いていない部分にこそ、想像を委ねる。

展示期間中は2月22日(土)、3月7日(土)、3月20日(土)の3回、いずれも午後1時半からギャラリートークと制作実演を予定。来場者のお題をもらってその場で書くこともありそうで、ライブ感を堪能できそうだ

会期中は無休で午前9時から午後4時半まで開館。入館料は高校生以上300円、小・中学生150円の入館料が必要。問い合わせは弥彦の丘美術館(0256-94-4311)。

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