【燕三条の未来を両市長が語る】高校再編、市立大、産業観光、事業承継…さんしん未来塾3月例会で滝沢三条市長と佐野燕市長が講演 (2026.3.13)

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三条信用金庫(新潟県三条市)が運営する若手経営者の育成と交流を目的にした「さんしん未来塾」の3月例会が12日開かれ、三条市の滝沢亮市長と燕市の佐野大輔市長がそろって登壇。「燕三条の地域の未来」をテーマに講演した。燕三条地域としてひとくくりにされる両市の市長が将来像を紹介し、教育、産業、観光、人口減少への対応など幅広いテーマで意見を交わした。

さんしん未来塾3月例会
さんしん未来塾3月例会

滝沢三条市長は少子化に伴う学校の統合や三条市立大卒業生の地元企業就職

約100人が出席。冒頭、滝沢市長は「人づくりはまちづくり」を掲げ、主に教育政策を軸に三条市の将来像を説明した。まず話したのが、県央工業高校と三条商業高校の統合問題。少子化で高校再編が避けられないが、2校は地域産業を支えてきた重要な学校であり、「学校の活力は地域産業やまちの活力そのものに直結する」と存在意義を話した。

そのうえで、統合を単なる再編で終わらせず、「1+1が10にも100にもなるような統合」にしなければならないと持論。三条市ではこれまで意見交換会を重ね、地元16団体で要望書をまとめており、県に対して地元一丸で新設校の魅力向上や新校舎整備などを求めていく考えを示した。三条市立大学との連携もそのひとつで、工学と経営を学べる特性を生かし、新設高校との結び付き強化にも期待した。

滝沢三条市長
滝沢三条市長

その三条市立大学については、産学連携実習が文部科学大臣賞を受賞したことを紹介。地元企業の協力に感謝し、卒業生の燕三条地域企業への就職者数が1期生8人から2期生12人に増えたと明らかにし、「地元企業の思いが学生に届いている表れ」と評価した。

さらに、下田地域の5小学校統合に伴って4校舎が空くことにもふれた。公共施設として使うだけでは限界があり、民間事業者のアイデアやネットワークを生かした利活用に期待。「少子化を後ろ向きな合理化で終わらせず、教育環境やまちづくりをどう前向きに変えるかが大事」と語った。

佐野燕市長は「稼ぐ燕市」中心に事業承継、産業観光とインバウンド、子どもの支援も


一方、佐野市長は就任から間もない立場として、2026年度予算を軸に燕市の現状と方向性を説明した。人口は約16年前の8万4000人から現在は7万5000人に減少。人口減少に抗う施策と同時に、減少を前提に持続可能なまちをどうつくるかを考える必要があるとし、「みんなでつくる燕市」を理念に、「稼ぐ燕市」「育てる燕市」「燕ひとつ」を柱に掲げていると話した。

とくに力を込めたのが「稼ぐ燕市」。行政サービスを維持し、子育てや福祉の施策を進めるにも、まず地域が稼ぐ力を持たなければならないとし、新産業創出、地場産業の販路開拓、ものづくりの高付加価値化などを進める考えを示した。

佐野燕市長
佐野燕市長

日本国内の市場縮小を踏まえ、「人口が増える海外に需要を見いだす必要がある」として、海外展開や見本市出展、国際規格取得支援などにも取り組む考えを示した。

また、今回の予算の大きな柱として「事業承継の基礎調査」を挙げた。市内企業の経営者に対し、事業を今後どうするのか、空き工場や空き倉庫があるかなどを調べ、産業再編や企業誘致につなげたい考え。DX推進や工場の遮熱対策にも取り組み、人口減少下でも働き手を確保できる環境整備が必要とした。

燕市が今後さらに力を入れる分野としては産業観光も挙げた。工業専用地域でのショップや飲食店立地の規制緩和を進める方針を示し、産業観光を地域の稼ぐ力につなげたい考えを表明。インバウンド対応調査にもふれ、「海外に売り込むだけでなく、海外から人を受け入れることも大切」と語った。

「育てる燕市」では、発達に課題を抱える子どもの支援を重要施策とする。就学前の子どもの約17%に障害の可能性があるのが現状で、適切な支援によって将来の地域産業の担い手として育ってもらうことが大切だとした。

さらに、幼少期から燕への愛着を育てる「ふるさと燕」教育や、高校生らの自由な地域活動を支援する「羽ばたけつばくろ応援事業」などを通じ、将来のUターンや地元定着につなげたい考えだ。

質疑はブランド戦略、DMO、両市の合併、宿泊施設不足など

さんしん未来塾3月例会
さんしん未来塾3月例会

質疑応答では、参加者から燕三条としての一体的な産業観光やブランド戦略について質問が出た。これに対し、両市長とも「外から見れば燕と三条ではなく燕三条」との認識を共有。会場から燕三条DMO(観光地域づくり法人)の設置を進めているという話しがあり、佐野市長はDMOのような仕組みも将来的な選択肢と言及。「産業観光の中にマーケティングをしっかり組み込む必要がある」と述べ、滝沢市長も八十里越開通を見据え、観光にもさらに力を入れていくとした。

燕三条の合併可能性を問う質問には、両市長とも現時点では合併より連携が現実的との考えを示した。佐野市長は、今は合併の財政的メリットが乏しく、交付金などは1+1が2にならない、統合作業に膨大な労力がかかることを踏まえ、「現状では連携の方がベスト」と説明した。

滝沢市長も、合併は首長が単独で進めるものではなく、市民や企業の機運が前提になるとの認識を示した。

両市長に花束
両市長に花束

宿泊施設や文化施設の不足を指摘する声には、両市長とも課題認識を示した。佐野市長は、燕市が所蔵しながら十分活用されていない美術作品の公開や活用に意欲を見せたほか、高級宿泊需要の動向も見据えながら誘客策を考えたいとした。

滝沢市長は、宿泊は自治体の線引きで考えるものではなく、燕、三条、弥彦、岩室などを含めた広域での役割分担が重要との考えを示した。佐野市長は「むしろどなたか素晴らしい宿泊施設をつくっていただけるとありがたい」と付け加え、出席者に水を向けた。

教育、産業、観光、人口減少対策と論点は多岐にわたったが、両市長に共通したのは、自治体単独で閉じるのではなく、地域や企業、住民とともに動く必要があるという認識。出席者は、燕三条の未来を巡る議論は、行政だけでなく民間と連携することの重要性も実感していた。


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