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制度調整の進め方について

(2002年7月22日 配布資料 No.2)

1.制度調整とは

制度調整とは、各市町村で格差のある行政サービスや負担などの一元化を図るための調整方針を事前に協議することにより、合併後、新市における住民生活等に支障がないようにするものです。また行政の事務手続きなどの統一を図ることも調整に含まれます。

先進事例では、新潟・黒埼で約1,9000、静岡・清水で約2,100の調整項目がありましたが、これには事務手続きの調整も含まれており、協議会等では直接住民に影響のある項目について協議されます。

制度調整の主な進め方は、(1)制度調整(一元化)が必要かを判断(2)一元化が必要なものについては原則に基づき決定(3)一元化の時期の判断…となります。

一般的には、これら制度調整は「法定協議会」において協議され、「合併協定書」の「協定項目」として、合併前に各市町村で取り交わされることとされています。

2.研究会(任意協議会)で制度調整を行う理由

本年10〜11月に、各市町村長が合併研究会での成果等をもとに住民説明会を予定しています。今回の制度調整の結果は、合併をした場合、行政サービスや住民負担がどのようになるのかを住民が判断する一つの資料となります。

3.制度調整(一元化)が必要なもの、調整の方法とは?

新市が発足する(した)場合、旧構成市町村の事務事業は(1)合併後、統一を図らなくても良い(国の制度等で各市町村が同一制度になっているもの)(2)統一しなければならない(住民票の手数料等)(3)廃止しても良いもの…の大きく3種類に分類されます。

一元化とは上記(2)について、(1)いずれかの市町村の制度を適用する《統合》(2)新たな制度をつくる《再編》の判断をすることを言います。

4.調整の方針の原則は?

  1. 一体性確保の原則
    住民生活支障のないよう速やかな一体性の確保に務める
  2. 住民福祉の向上の原則
    住民サービス及び住民福祉の向上に努める
  3. 負担公平の原則
    負担を公平にし、行政的格差が生じないよう務める
  4. 健全財政運営の原則
    新市の健全財政に務める
  5. 行財政改革推進の原則
    行政改革の観点から、事務事業の見直しに務める
  6. 適正規模準拠の原則
    新市の規模に合った事務事業の見直しに務める

5.研究会で示した財政フレームの考え方

第3回の研究会で予測した合併した場合の財政フレームのうち、関係市町村で違いのある制度については、下記のことを原則としています。

(1)歳入

款項目別で負担の最も低い市町村の一人当たりの金額を採用

※住民税のみ高い方を採用

例:保育所や施設の使用料は使用料全体としての金額の低い方を想定
シミュレーションで用いた款項目 住民税 負担金 使用料 手数料

(2)歳出

性質別費目で支出の最も高い市町村の一人当たりの金額を採用

例:老人の扶助費では、医療費や給付などの全体としての
金額の高い方を想定
シミュレーションで用いた
性質別費目
人件費 職員給 扶助費 老人
退職金 児童
社会福祉
その他 その他

6.一元化(実施)の時期

制度調整は、すべてを合併前に決めなくてはならないものではありません。

年度途中で合併した場合、新年度から統一を図る必要があるものや、各種計画など新市になってから策定するものなど、実施時期が異なる場合があります。また、どうしても合併前に調整がつかない事項などは、合併後に調整する場合があります。

合併前の調整 各市町村で、合併前に調整できる事務等
新市発足時 発足と同時に、統一しなければならない使用料・手数料等
合併翌年度 合併期日が、年度途中の場合
合併後5年以内 経過措置として期限を定め、サービス水準を調整する事務事業
新市発足後検討 新市において、調整を検討する事務事業

7.調整方針が決まらない場合

今回の制度調整は専門部会を中心に行い、幹事会で調整(案)として決定されました。原則として方針を定めましたが、重要な幾つかの事項については、方針の決定にいたらなかったものもあります。それらの事項については小委員会または研究会で決定していただくことになります。

しかし、制度によっては、研究会でも決定できない可能性もあります。その場合は、法定協議会において決定されることになります。