新潟県加茂市の加茂市教育委員会は、24日(水)から6月26日(月)まで加茂文化会館大ホール再開記念展「加茂耕土社と巨匠たち」 を開き、加茂文化会館大ホールの耐震化などとあわせてリニューアルされた良寛展示室で地域ゆかりの画家の作品43点を集めて展示している。
市域の文化の発展には、農業・木工業・織物業に代表される地場産業の成熟と教育・研究機関の成立が深く関係している。とりわけ1903年(明治36)に開学した新潟県立農林学校(のちの加茂農林学校・加茂農林高校)は、産業と文化を結びつける重要な役割を果たした。
その象徴が洋画の受容と普及。加茂農林学校には植物の標本や工芸品、書道などを競う展覧部があり、大正時代(1912〜26)には洋画も制作されるようになった。彼らは校内の温室を好んで制作の場とし、画題に花や果物を選び、そこに学外の愛好者も集まって洋画団体「耕土社」の基礎が築かれた。
今回、2年ぶりの加茂文化会館大ホールの再開を記念した「加茂耕土社と巨匠たち」は、地域画壇の前史、耕土社の活動と後進への影響に注目して資料と作品を集めた。耕土社と周囲の画家の作品は、今も市民の身近に飾られ、日々の憩いや創意、活力の源になっている。
展示作品には三条市名誉市民の日本画の岩田正巳さん、加茂市の番場春雄さんの作品や栢森義、船久保喜一郎、真島元枝、泉田恒一、田中道久などが名を連ねる。
午前9時から午後5時まで、火曜休館。