帝国データバンク新潟支店によると、温泉旅館「平左エ門(へいざえもん)」を運営する有限会社ホテル平左エ門(五泉市佐取宮ノ浦)は10月25日に事業を停止し、債務整理を佐々木智之弁護士(新潟市秋葉区さつき野4)に一任した。負債は約7,000万円。
同社は1969年創業、79年5月に法人改組した温泉旅館の運営業社。運営する和風温泉旅館「咲花温泉 いろりの宿 平左エ門」は、和室7〜8室ほどの規模で、JR咲花駅から徒歩約5分、阿賀野川近くの立地。手ごろな宿泊料金体系で観光客を中心とした宿泊や日帰り入浴にも対応し、2019年ごろまで6,000万円ほどの年売上高で推移した。
20年以降、新型コロナ感染拡大が鮮明になるなか集客を大きく落ち込み、23年7月期の年売上高は3,000万円台に低下していた。助成金の利用などでしのいでいたが、食材をはじめとした価格高騰やエネルギーコストの上昇を背景に厳しい資金繰りが続いていたうえ、後継者問題や設備の老朽化への対応ができず、事業継続を断念した。