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三条・吉津川遺跡で出土の木簡を赤外線写真で解析(2001.11.7)

三条市教育委員会は、三条市下保内で行っている吉津川遺跡の発掘調査で出土した木簡を赤外線写真で解析したところ、江戸時代の土地台帳の元になる文字を書いたものであることがわかった。

三条・吉津川遺跡、木簡の赤外線写真と出土状況

赤外線写真

出土状況

木簡は縦長で15×3cmていどの大きさ。墨で書かれた文字はかすれて、そのままでは判別が困難なため、赤外線写真で撮影し、肉眼では見えなくなった文字を赤外線で浮かび上がらせ、中世研究者の三条市文化財保護審議会・金子達委員から解読してもらった。

その結果、表には“別分■■”(■■は字名などが入ると思われる)、次の行に“同弐反大八拾四歩”、間をおいて“瀬兵へ”とあり、裏には“治部進”とあることがわかった。

検地帳などの土地台帳を作る元になるような、今でいうカードのようなもの。“別分■■”の場所の水田2反(1反は360歩=360坪)と“大”(1反の2/3)、84歩(合計1,044坪)を瀬兵がもっていた(または水田を耕作する権利をもっていた)ことを示すという。

裏にある“治部進”は武士らしい名前で、これを書いた役人と思われる。検地か新田を開発に伴って現場で測量したときなどに書いたものではないか、という。

ただ、速読の段階なので、字句についてはさらに検討が必要。調査を担当する田村浩司市教委生涯学習課主任は「この木簡はまさに検地帳といわれる土地台帳のスタイルを踏襲しており、当時の土地支配の現場での作業を物語る貴重な木簡と思われます」と話している。

【関連リンク】

28日、三条・吉津川遺跡で発掘調査現地説明会開催(2001.10.23)

三条市歴史民俗産業資料館で遺跡発掘調査速報展(2001.4.28)

中部北陸自然歩道(遺跡説明)(三条市公式サイト)



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