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4月18日にリニューアルオープンした分水町五千石、信濃川分水資料館(五百川清館長)は、越後平野に恩恵をもたらした大河津分水のことを多くの人に知ってもらおうと連休中の来館を呼びかけている。 長さ、水量ともに日本一を誇る信濃川は明治29年7月、10日間降り続いた雨が信濃川を氾濫させ信濃川や中ノ口川の堤防を次々に破堤し“横田切れ”という大惨事を招いた。 国は明治9年に大掛かりな信濃川改修工事を開始し、大正13年に大河津分水路が通水。それから100年を記念して昭和53年に同資料館を開館した。 今回のリニューアルは、大河津分水洗堰(あらいぜき)周辺整備事業と併せて行われたもので、大河津分水の歴史と役割を子どもたちにも理解してもらうのがねらい。 1、2階が展示室で、パネルを主体に大河津分水の建設に至る地理的、歴史的背景から大河津分水建設に伴う治水の技術や歴史資料を順を追って紹介し、一巡すれば大河津分水のことが一通りわかるようになっている。 興味をひく仕掛けもたくさんあり、なかでも注目を集めているのが洪水氾らんシミュレーションコーナー。今、大河津分水がなかったとして明治29年の“横田切れ”と同じ規模の洪水が発生した場合を想定し、刻々と下流域に広がる被害の状況をニュース番組形式で見せる。 アナウンサーが知らせる各地の避難命令、地図上での被害地域の図示、新潟市のビッグスワンが水に浸かる生々しいCG。おとなも子どもも真剣な顔で見入っている。 ほかにも大河津分水の役割やあらましを10分の映画で鑑賞するテーマミニシアターや洗堰のゲートの開閉を体験できる洗堰模型や分水の仕組みがわかる分水路模型、大河津分水工事のジオラマ風模型もあり、まさに百年の大計をリアルに感じることができる。 当時の“モノ”の展示物は少ないが、今回の整備事業で出土した、大河津分水の工事に使われたと思われるトロッコ“鍋トロ”を展示しているほか、特別展で信濃川洪水絵巻や洪水を伝える新聞や写真も展示している。 また3階は資料室や交流サロン、4階はガラス張りの展望室で、外に出て望遠鏡も見られる。 百川館長は「越後平野の発展の歴史を語る中で大河津分水の功績は非常に大きい。資料館では小さい子どもさんでもわかりやすいように工夫を凝らしています。じっくりとご覧になっていただきたいですね」と話している。開館は午前9時から午後4時まで、入場無料。 また、同資料館では大河津分水の歴史めぐりなどの活動に賛同し、支援、活動、協力する「友の会」の会員を募集している。 会員は大河津分水路に関する研究や資料、情報の交換、資料館主催の行事、イベントへの協力や参加などを行う。会員には会員証を交付し、資料館だよりの送付や資料館主催事業の案内、優先参加、図書室の優先閲覧などの特典がある。 会費は年額で一般会員1,000円、中学生以下のジュニア会員500円。問い合わせは同資料館(0256-97-2195)へ。 ■関連リンク 大河津分水洗堰周辺整備竣工式と信濃川大河津分水資料館のリニューアルセレモニー(2002.4.19) |
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