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3日、三条で最後の7・13水害フォーラム開かれ、群馬大教授の基調講演とシンポジウム(2005.11.4)
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7・13水害フォーラム実行委員会(今井良平委員長・13人)は、3日午後1時半から三条市勤労青少年ホームで最後の7・13水害フォーラム、第3回「防災への取り組み!私たちにできることは!!」を開き、約60人の市民が参加して基調講演やシンポジウムを真険に聴き入った。
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3日開かれた最後の7・13水害フォーラム
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基調講演は、講師の片田敏孝群馬大学教授から「三条市民の対応行動から見た新潟豪雨災害」のテーマで聴いた。片田教授は、住民避難や災害情報論などが専門分野で、政府や地方自治体の災害関連審議会の委員を数多く務める。
昨年9月に群馬大学工学部防災研究グループとして国土交通省北陸地方整備局河川部とともに新潟豪雨災害で被災した三条、見附、中之島のアンケート調査を行い、「平成16年7月新潟豪雨災害に関する実態調査」の報告書をまとめた。
講演では、アンケート調査の結果から作成した水害当日の浸水状況、避難住民、救助住民、避難勧告の認知状況、自宅まで川からの水が来ると思っていなかった住民の割合などを地図上で30分ごとの時系列も細かく示して説明した。
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講師の片田群馬大教授
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そのうえで片田教授は、情報伝達などで行政に反省し、対応してもらわなければならないが、水が来ると思っていなかったことが避難の遅れ、救助が増えたとして、住民を含めて人為的な安全に人間があぐらをかき始めていると無防備さも指摘。「自然に近づくことは、恵に近づき、災いに近づくこと」として、自然を意識してほしいと述べた。
また、ほかの災害も紹介し、そこから学ぶべき所はたくさんあるが、公助には限度がある。公助が対応できない事態では、自らの命は自らが守る「自助」以外にはないことを認識し、自分で十分に対応できない災害対応困難者には、地域コミュニティが互いに助け合う「共助」で対応しなければ地域防災の底上げはできないとし、「次代の人たちにこの経験を伝え、同じ轍(てつ)を踏ませないことが重要」と締めくくった。
続いて行ったシンポジウムでは、川瀬神経内科クリニック防災部会、東新保自治会長、三条市役所行政課防災対策室の3人が7・13水害以降の防災に対するそれぞれの取り組みを紹介した。
同実行委員会は、7・13災害を教訓に市民、行政、企業、ボランティアが一体となった災害に強い、安心して住める町づくりをと活動してきたが、今回のフォーラムで役目は終えたとして、解散することにしている。
関連リンク
群馬大と国交省による新潟豪雨災害のアンケート結果まとまる(2004.12.26)
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