燕市が東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県に1,000セットずつ寄付する「仮設住宅応援(燕)グッズ」。その第一弾として宮城県名取市に発送する100セットを26日、燕市に避難している人たちが箱詰め作業を行い、支援を受けている人たちが支援をする側に回った。
仮設住宅に必要な鍋、フライパン、ケトル、包丁、フォークとスプーンなどの台所用品を家族4人分、19種類、40点をセットにしたグッズ。被災地に役立ててほしいと燕市に寄せられた寄付から約3,000万円で業界団体を通じて地元企業から調達するもので、海外ではなく燕市で生産された商品にこだわってそろえた。
鈴木市長が温めてきたプランで、被災地の支援はもちろん、実売では1億円以上になる商品の寄付をその数分の1の義援金で実現し、燕市の産業もアピール。さらに燕市に避難している人たちから箱詰め作業のボランティアを頼んで自律をうながし、寄付の発送後もグッズの注文があれば今度は有償で箱詰め作業を仕事にしてもらおうと、一挙両得どころか三得、四得もねらった欲張り企画だ。
出荷の時期や方法は各県の要望にあわせて対応し、今回その初出荷分の箱詰め作業。燕市に避難している人に箱詰め作業のボランティアを募り、希望した10人が午後から吉田庁舎に集まって作業した。
セットを詰める段ボール箱は、側面に「燕市」の大きな文字や「がんばれ東北!心はひとつ!」、「東日本大震災支援物資」などと緑色で印刷した専用仕様だ。グッズと一緒に鈴木力市長と日本金属ハウスウェア工業組合、日本金属洋食器工業組合、燕市協賛企業一同の連名で、「新しい生活を始められる皆さんへ」と題したメッセージも入れた。
避難している人たちは、職員が用意したチェックリストで中に詰めたものの数があっているかどうかをチェックしながら箱詰めしたが、「ゆっくりでいいんですよ」という職員の言葉も上の空。ボランティアとはいえ久しぶりの仕事に集中し、大急ぎではつらつと作業していた。
箱詰めした100セットは、翌27日午後に名取市に向けて宅配便で発送。5月17日には同様に箱詰め作業を行い、宮城県に450セット、福島県に300セットを発送する。