東北大震災で中止になったことしの「分水おいらん道中」に向けて開発したオリジナル純米酒「分水さくらの酒」を1本につき100円を義援金に充てることで販売した燕市の南山酒店=下諏訪=と清六商店=横田=は27日、その義援金に店主が善意を上乗せしてそれぞれ10万円、3万円を東北地方の被災した人たちのために役立ててほしいと、燕市に寄付した。
午前9時に南山酒店の南山正幸さんと清六商店の山崎清一郎さんが市役所を訪れ、鈴木市長に善意を手渡した。
「分水さくらの酒」は分水地区に名産をと活動する有志の会「酒華の会」(しゅかのかい)が2年半をかけて開発した純米酒で、砂糖とレモン果汁に味付けした大河津分水で摘んだサクラの花1.5gを入れた小袋付。サクラの花をぐい呑みなどに入れて、純米酒を注ぐとサクラの花が満開に開く趣向を凝らした限定品で、300ml入りで1,000円。
第70回の節目のおいらん道中の目玉のひとつになればと取り組んだが、ことしの中止が決まり、急きょ1本につき100円を義援金とすることとして3月末に300本余りを発売、南山酒店で275本、清六商店で50本をほぼ完売した。
また、あわせて南山酒店では、マスコットキャラクター「おいらん道中PR隊」のイラストなどもデザインした限定品の缶ビール3本セット(1,100円)も発売し、1,000セットを完売。いずれも1本または1セットにつき100円を義援金に充てた。
南山さんたちは、酒に関しては「うまい」とリピーターもいるが、サクラの花の量が限られていることから増産はできない限定品。「なくなったっていうと、欲しいって言われる」と話し、また来年も販売を予定している。鈴木市長は、「ぜひ来年は70回の仕切り直しを」と話していた。