17日に福島県南相馬市で行われた南相馬市復興祭「ー未来へ羽ばたけ南相馬ー夢元気ふれあいフェスタ」の開会式で、南相馬市の23の団体で組織した実行委員長の林洋平原町青年会議所理事長や桜井勝延市長があいさつし、国内外からの支援に感謝するとともに、復興祭を通じて「前に進んでいくこと」を願った。
イベントは、原ノ町駅前の駅通り約800メートルを通行止めにして行った。南相馬市や福島県内外からの出店者が特産品などの販売などを行い、三条市も出店したほか、復興ライブや映画上映も行われた。
午前11時から旭公園で行われた開会式では、南相馬市の桜井市長はじめ、三条市の国定勇人市長、斉藤弘文三条商工会議所会頭、胎内市の板額会が列席。あいにくの小雨が降るなか、傘をさして集まった市民を前に林実行委員長があいさつした。
林実行委員長は、全国から今も支援や協力の手を差し伸べてくれていることに感謝し、復興に向けて頑張っている姿を伝え、来場者からひとりでも多くの笑顔を見せてもらって「この地域の一日でも早い復興」を願った。
来賓の桜井市長はあいさつで、南相馬市は忘れ去られたのではという思いもあったが、市民の力でここまで持ちこたえ、復興の兆しが見えてきたと話した。まいりましたと話した。
さらに、「今、自らすすんでこの町を立ち直らせようという意思が集まってこそ、心を一つにしてこそ、南相馬市の将来が決まっていく」ので、「ご支援をいただいた新潟県をはじめ全国各地、全世界の方々に感謝の気持ちを込めて復興の息吹をあげて行こうでありませんか」と鼓舞した。
国定市長はあいさつで、昨年の3月16日夜から南相馬市からのバス12台、約600人の避難を受け入れてからの1年を振り返った。3.11のネガティブな側面にだけ注目するのではなく、「新潟県三条市は3月11日が逆にあったからこそ、皆さま方と出会い、結びつき、絆が深まったと感じております」と光を当てた。
今も三条市には269人が避難しているが、「私は決して不幸なことだと思いたくはない、同じ人間として共に歩み、ともに生き抜いていく。そのために原動力となる人と人との絆というものを去年の本日、天からいただいたものというふうに私は前向きにとらえていきたい」。
復興の道は険しく長い道のりかもしれないが、「人は必ず、一歩前に踏み出せば、その分だけ前進、そして確実にゴールに近づいていきます」と、桜井市長のもとで市民一丸となって3月11日の前を上回る素晴らしいまちを取り戻すことを願った。
三条に避難している人がひとり残らず生活再建できるその日まで、全身全霊を傾けて全力で支え、「皆さま方に対してもその気持ちのわずかばかりかもしれませんがお届けし続ける。それが10万3千人三条市民の覚悟であります」と力を込めた。
開会式後、三条市に避難していた人10人以上が国定市長を囲み、笑顔で再会を喜ぶとともに、近況を伝えていた。
昨年秋に三条市から南相馬市内の借り上げ住宅に移った小高区の70歳代の女性は、少しは生活が落ち着いたのか表情が柔らかくなったように見え「元気だよ〜」と話したが、「な〜んにもすることがないのよ」と言い、自宅には畑があって常に体を動かしていたこと、今は近所の人とも離ればなれになったことなども話していた。