社会福祉法人燕市社会福祉協議会就労支援センターと福祉プロダクトの企画、製作などを手掛ける新潟市・企画制作室「Bridge」(小林あかね代表・新潟市)の協働で生まれたろうそく「つばめキャンドル」が20日、東京都・渋谷ヒカリエで行われた障害のある人との協働で生まれた魅力的な仕事のや働き方の全国公募プログラム「Good Job! Award」の最終プレゼンテーションの結果、準グランプリを射止めた。
このプロジェクトは、2012年に大阪で開かれた展覧会「Good Job!」で始まり、13年度から「Good Job! 展」として毎年開かれている。今年度は初めて公募になり、9月30日までに全国から118件の応募があった。
書類審査で、つばめキャンドルは入選12件のひとつに選ばれ、20日の入選作品による最終プレゼンテーションにのぞんだ。18日から20日まで「Good Job! 展」が開かれた会場で行われた。
つばめキャンドルはBridgeの小林さんが中心となってプレゼンテーションを行った結果、京都のドニさんの家×社会福祉法人オリーブの会による「ドニさんの家」がグランプリ、「つばめキャンドル」はそれに次ぐ準グランプリに決まった。
当初、グランプリ1件だけが決まる予定だったが、つばめキャンドルがわずかの差で2位となったため急きょ、準グランプリが設けられ、つばめキャンドルに贈られた。なかでもつばめキャンドルを押した審査員が、デザイナーのナガオカケンメイさん。会場のヒカリエの8階フロア全体をプロデュースし、店舗ももっており、商品のクオリティー、背景やストーリーが良く、すぐにでも自身の店でつばめキャンドルを扱いたいと話していたと言う。
つばめキャンドルは2013年春、結婚式に使われて廃棄されるキャンドルをリサイクルしようと取り組みが始まった。Bridgeとの協働でキャンドルとして再生することを考案。燕市社会福祉協議会就労支援センター就労継続支援A型の利用者が製作にあたり、地元企業にキャンドルを作る金型の製作を依頼したり、地元の行事の酒呑童子行列とコラボレーションしたりとさまざまな協力や支援を得てここまで育った。
燕市社会福祉協議会就労支援センターの担当、土田貴子生活支援員は「自分たちで賞を取った感覚はなく、地元の応援をすごく感じている。昨年からつばめ若者会議を通じた販路の開拓もあり、人づてに仕事が増えた」と感謝するばかりだ。
準グランプリをきっかけに注文が増えるのは間違いない。「生産が追い付くか、ちょっと心配になった。ほかの原料は使えないので、原料の確保が難しくなるかも」と土田生活支援員は、うれしい心配をしている。