弥彦を題材とした絵画を対象とする第14回「弥彦を描く」公募展が23日、弥彦村総合コミュニティセンターで開幕。11月13日まで会場全館を使って145点を一堂に展示している。
日本画に41人から44点、洋画に90人から96点、2部門に計131人から140点の応募があった。17日に審査を行って入選以上となった日本画42点と洋画90点を展示。さらに審査員出品6点、招待出品7点を加えて展示している。
審査では、2部門とも弥彦大賞と準弥彦大賞を1点ずつ、奨励賞を2点ずつ、そのほかに協賛団体による日本画11、洋画15の賞を決めた。日本画の弥彦大賞は加茂市の自営業山田京子さん(61)の作品「萌(きざ)し」。「うれしいです。張り合いになります」と山田さんは声を弾ませた。
昨年、十数年ぶりに地元の加茂市美術展に出品していきなり最高賞の市展賞を獲得した。「弥彦を描く」では10周年記念大賞や準弥彦大賞、何度か協賛賞も受賞している。
今回の受賞作は弥彦公園のもみじ谷で見つけた木の切り株を7月初めから描いた。「老木が風化してそこに新芽が出ているのが目につき、その生命力に感動した」。切り株の下の方に描かれている新芽の緑の葉があって初めて山田さんの心を揺さぶった。
洋画の弥彦大賞は新潟市江南区の県職員河野昭信さん(60)の「お参り」。「弥彦を描く」が始まったころに出品し、協賛賞を2度、受賞しており、今回はおよそ10年ぶりの出品。すでに新潟市美術展では無鑑査でアークベル県民アマチュア絵画展で入賞経験もあり、キャリア23年のベテランだ。
振り袖を着た女の子がさい銭箱の前で手を合わせる姿を横から見下ろすようなおもしろい視点で描いた。「弥彦神社を題材にしたが、女の子がいたわけではない」と河野さん。弥彦神社の参拝からイメージを膨らませ、女の子の着る赤い振り袖やさい銭箱もほかで取材したもの。頭のなかにあったイメージを膨らませ、組み合わせて作品にまとめた。
「ことしはおとなしい絵が多かったので、構図や色が良かったのか」と河野さんは自己分析。弥彦大賞には「素直にうれしい。今回の受賞をきっかけにし、次の絵に生かしたい」と喜ぶ一方、「これから下手な絵は描けない」と笑った。
また、洋画で奨励賞を受けた三条市の長谷川欣吾さん(73)が招待出品となった。長谷川さんは「弥彦を描く」に出品を続けて9年目。その間、すべて入賞しており、弥彦大賞と準弥彦大賞も受賞している。