10月31日に沖縄の首里城が焼失して2日後の11月2日に開かれた新潟県立吉田高校(小竹聖一校長・燕市吉田東町)の文化祭「吉高祭」で、2年1組の生徒が製作した段ボール製の首里城が13日、燕市役所に展示された。
文化祭で2年生は、12月3日から6日まで3泊4日で沖縄へ修学旅行に出かける事前学習の意味もあって、沖縄をテーマにしたイベントを企画。2年1組の生徒36人は、2カ月がかりで段ボールで首里城と守礼門を製作、展示した。
首里城は実物の約9分の1サイズだが、それでも幅3メートル、高さ2メートルと大きい。あわせて首里城再建に充てる募金箱を設置したところ、1万円を超す寄付が寄せられた。文化祭後は、空き教室に片付けていたが、燕市役所での展示を要望し、市役所1階エントランスホールに設置することになった。
運搬にかかる費用の工面を考えていたが、2018年6月に発足した吉田高校サポート協議会の会長の吉田商工会・星野光治会長が経営する株式会社ほしゆうのトラックで無償で運んでくれた。
13日は2年1組の生徒7人が教職員らとともに市役所を訪れ、いくつかのパーツに分けて運んだ首里城と守礼門を組み立てた。廃棄された段ボールで作ったので柔らかく、組み立てても自立するのが難しいほどふにゃふにゃだが、中に机を入れ、屋根を載せるなどして展示作業に約2時間かかった。
燕市役所での展示のキーマンは小竹校長だ。小竹校長は「当日の楽しみにとっておこう」と、あえて製作過程を見ずに文化祭で初めて完成した首里城を見て感激。文化祭が午後1時半に終わったらすぐ廃棄する予定だったが、小竹校長が待ったをかけた。
学校の空き教室に保管するように言い、燕市と協議して市役所での展示が決まった。市役所では展示場所からいちばん近い会計課の窓口に募金箱を設置し、修学旅行で生徒が直接、沖縄県庁へ届ける。
小竹校長は「首里城が燃えてしまったのは本当に残念ですが、修学旅行でいろいろな思いをもって沖縄へ行き、平和などに対する意識が高まったと思うし、沖縄に生徒の思いも伝われば」と話していた。