織物製造の港屋(長岡市東町・資本金1000万円)は3月25日、新潟地裁長岡支部より破産手続き開始決定を受けた。負債は債権者約37人に対して約2億6300万円。
帝国データバンク長岡支店の調べでは、同社は1871年(明治4)創業、1950年(昭和25)1月に法人改組された織物製造業者。婦人向けスラックスやユニホームの製造のほか、ニット向けなどの糸染め加工を手掛けていた。
1982年7月期には売上高約32億円を計上していたとされるが、国内アパレル需要の縮小などを背景に徐々に業容は縮小。2022年7月期の年売上高は約2億9200万円にまで減少、近年は赤字決算が続いていた。
厳しい業況が続くなか、23年5月には染色加工を委託していたいずみ染工(株)が倒産し、染色加工を受注することが困難な事態となり、染色加工部門より撤退。その後は織物部門だけで事業を継続していたが、過大な借入金が重荷となっていたこともあり、23年10月に入り、織物部門を(株)シモムラ(石川県小松市)に譲渡し、同月10日に事業を停止し、今回の措置となった。