帝国データバンク新潟支店の調べでは、木製家具製造の(有)やまだ工芸(新潟県田上町川船河・資本金700万円)は4月22日までに債務整理を薄田真司弁士に一任し、任意整理に入った。負債は2023年8月期末時点で約 6000万円。
同社は1952年(昭和27)創業、73年(同48)9月に法人改組された木製家具の製造業者。桐たんすを中心とした特注の木製家具製造を手がけ、木取りから加工、塗装まで自社職人による一貫生産を手がけていた。
しかし、和装、着物の需要縮小や住宅様式の変化などを背景に、桐たんす市場が低迷するなか、2000年以降は5000万円ていどの年商で推移した。
2015年に3代目として現代表が就任するなど、地元業界では老舗に位置しているが、市場低迷で売り上げの減少に歯止めがかからず、23年8月期の年売上高は約 1300万円にまで落ち込んでいた。
厳しい資金繰りが続いていたうえ、熟練職人の高齢化への対応もできず、事業継続を断念した。