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(株)まるよし(吉田行雄社長・三条市本町3)は、8日で全9店舗を閉店した。この日がまるよしの終わりではないという再起に向けた強い意思表明なのか、本店の閉店には吉田社長が姿を見せることはなかったが、明治20年の創業から125年間、灯し続けたまるよしの火はいったん消えた。 三条中央商店街の核、まるよし本店は、午後6時半ころまでに店内の商品がほとんどなくなった。商品を並べる什器(じゅうき)類は店の隅に寄せ、わずかに残った商品をエスカレーター前にワゴンに集めて販売。婦人衣料売り場は、いくらか商品が残り、数十人の買い物客が最後まで買物をしていた。 午後7時の閉店を前に「蛍の光」が館内に流れ始めると、青緑のエプロンをつけた従業員約20人が1階のエスカレーターわきに並び、来店者に「ありがとうございました」と頭を下げて見送り。なじみ客には「お父さん、ありがとね」と声をかけた。 まるよしの再生は依然、不透明で従業員だからという理由だけでなく、三条の老舗の閉店は胸に迫るものがあるのか、見送りながら自然と遠くを見つめる目をすることが多く、鼻をすする女性従業員。閉店の段取りはとくに決めていなかったようで、「社長を呼んでくる」と話す従業員もいた。 午後7時ちょうどに正面の半分のシャッターを閉め、最後の客が帰ったのを確認して残りのシャッターを閉めた。シャッターが閉まってゆく間も従業員は店の中で頭を下げたまま。7時16分、シャッターは完全に閉まった。 まるよしの閉店を市民40人ほどが見守った。60歳代の男性は「18歳の時にまるよしに勤めていた。あの時はまだ平屋でした。今はこんなに大きな建物になったのに残念です」と話し、近所に住む50歳代の夫婦は「閉店ということで見にきました。生まれたときからあったまるよしがなくなるのは、寂しいです」と、ふたりで目に涙をためていた。 大きな買物袋をさげた20歳代の女性は閉店するまるよし本店にカメラを向け、「よく買物に来ていました。また三条のお店がなくなるのが悲しいです」と人目をはばからずに大粒の涙をこぼしていた。 同社では、このあと12日に本店で全社員に休業補償などの説明会を開く。 ■関連リンク まるよし島田店だけ一足早く6日をもって閉店(2002.9.6) まるよし4店舗は早ければ6日にも営業終了(2002.9.5) まるよしの債権者説明会に約300社(2002.9.4) まるよし売りつくしセールで8日前の閉店の可能性も(2002.9.3) まるよしが民事再生法適用、負債30億円、8日でいったん営業停止(2002.9.2) 定例記者会見で高橋三条市長は(株)まるよしの存続に期待(2002.9.2) |
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