東京都出身で児童青少年向けの中央の劇団の主役として全国の文化会館や公民館、学校を回り、役者を辞めて今は三条市に住む岡田(旧姓:金子)美香さん(32)。高校生に対する演劇指導を行っており、ことし3月からは三条市でも高校生を対象に演劇指導のボランティアを続けている。
昨年暮れから顔を出していた長岡市・県立長岡向陵高校演劇部では、ことし4月から外部顧問を務めている。13日から県内の高校演劇の地区大会が始まり、同校は『我歴』で挑む。
もうひとつ岡田さんが手がけているのは、毎週日曜に三条市総合福祉センターの部屋を借りて行っている高校演劇部員を対象にした演劇指導のボランティア。役者を辞めてから現役時代の役者仲間5、6人とつくったボランティア演劇チーム「さにいほっと」名義で行っている。
指導は本格的だ。ウォーミングアップも兼ねて筋トレ、バレエ、足上げ、タップなどの基礎練習をたっぷりやってから演技指導に。ふだんは笑顔の絶えない岡田さんだが、演技を見る目は厳しく、妥協はない。「それじゃ、お客さんには届かないよ!」、「もっと思いっきり走って!」とつい声が大きくなる。ただ芝居のテクニックを教えるだけでなく、その裏側にある意味や気持ちも伝える。
教え子は高校演劇部に所属する加茂高2年滝口琴恵さん=三条市=、三条東高2年小林つくしさん=長岡市=、同石井優衣さん=加茂市=の3人。岡田さんは昨年12月に加茂高演劇部でワークショップを行った。その後、滝口さんから芝居の相談を受けてから連絡を取り合うようになり、ことし3月に指導を始めた。
4月に三条東高演劇部に新入生の指導を頼まれたのがきっかけで、5月に入って、小林さん、次いで石井さんも参加して3人に。「部活だけじゃなく、もっと芝居をうまくなりたい。そう思う高校生を育てたい」と岡田さんは言う。