■弥久保会長
八十里越の三条市の玄関口になる「道の駅 漢学の里 しただ」あたりに県央観光のビジターセンターを作ってはどうか。ゲートウェイの役割を果たす話ともつながるが、ビジターセンターに県央のアンテナショップを設け、具体的には燕の洋食器を置いたりすることができないかと考えている。
実はこの構想もかなり進んでいる。これとはまた別に西潟為蔵郷土ミュージアムを下田地区に作ろうと。それも八十里越の入り口の漢学の里あたり作ろうと考えている。
西潟為三の自由民権運動記念を記して作る。全国には自由民権とつく記念館が3つあり、4つ目でしかも日本海側初の自由民権記念館となる。それから八十里越の歴史館も作れないかと考える。加茂縞なども保存して後世に伝える。
ミュージアムの一角に県央ビジターセンターを作って、県央地域の観光ガイドのゲートウェイにできないかというのが私どもの提言だ。
■鈴木市長
県央ビジターセンターの事業主体っていうのが不明確なので、明確な答えはできなが、そこに燕の製品を置いてこの地域一体の発信、購入してもらうのは大いにいいこと。
加えたらどうかという逆提言だが、燕には大河津分水という同じような大公共事業プロジェクトがある。そういった大工事もきっとすごい日本の土木工学の粋を集めている。工事の記録や工法の記録を模型や動画もあるミュージアムになると、道路や橋の技術と河川工事と、観光のねたにもなり、技術者を呼び込むねたにもなるかもしれない。
■弥久保会長
寺泊の角上魚類が関東圏にも進出していて平日でも大にぎわいになっている。おそらく関東圏から八十里越に来たときに寺泊へ行く人が増えると思う。寺泊に行くには大河津分水を渡っていくので、何も知らないで渡るより入り口でそういう工事の模型などを置けば、さっきミュージアムで見たと思いをはせることができる。
合併前の新津市の小林元新津市長が新潟にまだない河川博物館を作ろうという構想を聞いたこともある。ぜひ鈴木市長が提案した大河津分水を模型でどれだけビッグプロジェクトだったかをアピールできると思う。今後、ミュージアムの構想のなかで、積極的に各方面にその検討をお願いしたい。
■藤田社長
箱物を作るのは鈴木市長と同じ感覚だが、あまり大きく手を加えなくて、まずできるところから進められるとすごくいい場になると思う。記録の場もそうだし、歴史や伝統を築く場、子どもたちの学習の場にもなっていく。もちろん観光物産の場にもなり、ハードだけではなくてソフトの面で非常に可能性が大きな場になると感じた。
■滝沢市長
三条市にはこれまで表だったわかりやすい観光案内所みたいなものが燕三条駅にもなく、そういうものを今後どうしていくのかというのは長い間、三条市の観光に関する課題、ないし伸びしろのひとつかなと認識している。
燕三条駅に降りても看板があり、パンフレットが置いてあるが、聞く人はいないという考えをもつ人もいるかと思う。そのようななかでビジターセンターは、対応のあり方のひとつとしては十分、検討できる話と思う。
歴史館、ミュージアムで歴史を残していく資料をちゃんと後世に伝えていくのも大事なこと。観光だけ考えて終わりではなく、これまでの歴史、経緯を八十里越に関して、しっかりとつなげていく、次世代に伝えていくことも、我々が忘れてはいけない視点だと感じた。