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第23回三条市美術展審査員講評「彫刻」(2001.10.18)

【審査員】戸張公晴(県立新潟女子短期大学教授 日本彫刻会会員)

昨年に引き続き審査を依頼され、楽しみにして来ました。応募作品を見ますと頭像が多く、これは基礎学習に欠かせないものです。ただ目、鼻、口を造れば良いというものではありません。その人物の全てを表出すること、これは大変なことです。時間を掛けゆっくりとモデルと対話し、その中に特徴を見出してゆくことです。応募作品を見ますともっと時間を掛けたい作品があります。静かに作品と対話し、制作しますと、いろいろと粘土の表情が見えてきますので、いろいろな道具で量塊の表情をためして感じて下さい。当市にはすぐれた指導者がおられますので、彫刻環境はとても良いと思います。自分なりにいろいろ試す制作を心がけ、納得のゆく独創性に富んだ作品をめざして下さい。

彫刻市展賞

彫刻市展賞『K氏頭部
大谷秀作さん(72)=荒町1=

『K氏頭部』
大谷秀作さん(72)
=荒町1=

写真をクリックすると拡大表示

○市展賞「K氏頭部」大谷秀作さん

強固な頭部男性像で、骨格や量の付け方が良く、力強さを感じます。確かな造形で量感に富んでいる個性的な作品です。

○奨励賞「S.Y.一未知へ」田中文子さん

荒々しい量の中に芯の強さを感じる作品です。何か風の中で厳しい自然に向って自分を見つめるようで自由さを生かした作品である。

○奨励賞「梓」佐藤悠さん

全体の量に勢いがあり大きさを感じます。見る人を強く見つめ、何かいいたげな表情で見る人を引き込む力強さを感じます。

最後に抽象作品が句点か有ります。技術的にはかなり手慣れている作品ですが、もう一歩の追求が必要です。装飾的なものは無い方が良いと思います。全体のボリュームや空間を考えて下さい。三条市展の並々の発展を心より願っております。彫刻する人が増えることを願っております。


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