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第23回三条市美術展審査員講評「洋画」(2001.10.18)
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【審査員】村山陽(一水会会員 日展会友)
きわだって傑出するということはむずかしい事だという感想をもった。昨年の印象では何かぴたっとくるものがあったが、今回は少し弱い。
◆市展賞●盛華(桑原孝子さん)=昨年に続くモチーフの表現だがインパクトが強かった。この構成法を脱皮する画面づくりの進展を望む。
◆奨励賞●牛膓恒夫さん=素朴な強さ(老樹そのもののエネルギー)があった。●板垣道子さん=樹木の枝の張りや交錯、それらが緻密に強く表現されて良好。建物を含めた附近をつき抜ける部分があるとより構築感が生まれる。●渡辺歩夢さん=空間の巨きさを感じさせ、行く道の果てに不思議なものをたたえているように感じられた。私には初め船首に見えて想いは無限にひろがった。●古川四朗さん=異国の風物はなかなか難しい。今回は焦点が決まり、建物のもつ時間の憂愁が表現された。●高橋庄吾さん=特に画面の下部をぼかして想い出のようにしたのが私の感覚から否(いな)と感じた。手斧や繋や金槌の柄にもっと写実の目で表現して、現在只今ここに存在する物として描き、後ろの空間に現在の構成空間を考えてほしかった。テーマは深い。ここからの進展を望みたい。
他に●藤田幸子さん=ぐんと色彩が良くなった。左端の空間は垂直に置くべきと感じた。●渡辺トモさん=さわやかな光を感じる画面。屋根をはっきりとみせること。画の構成よし。●村山正子さん=うしろの空間とコーヒーひきとの関連が大胆でいい。瓶の構成に工夫を。●佐藤道子さん=焦点をもっとびーんと響くように。明と暗の面積比を工夫してほしい。●植木ミツ子さん=全体の色調良好、筆触を落ち着かせてほしい。●木口四郎さん=丹念な描写でいいのだが、ここぞ魅力的という所をつくるように。●金子ヤイ子さん=全体の色調は良い。ここぞという所を書き込む事だ。対象を把握するようにぐいぐいと線をくい入るように引く。
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