前原氏は、菊田氏と初めて一緒に仕事をしたのは、民主党代表だった9年前に代表役員室のメンバーに入ってもらったときと紹介。最近の菊田氏を「少し、すごみが出てきた。迫力が出てきた」と評価した。
5区で民主党の田中真紀子氏が不出馬のなか、民主党を飛び出して前回の参院選で戦ってバトルした生活の党の森裕子氏を、今回は5区で推薦し、野党協力で自民党と対峙することに決めたことに「憎み合っていた人と大きな観点のなかで物事をまとめるのは、なかなか簡単なことではない。それを県連会長として見事にやられた。胆力がどんどんついてきた。将来が空恐ろしい」と評価した。
最も一緒に仕事をしたのは、自身が外務大臣で、菊田氏が外務大臣政務官のとき。資源外交にも何度も成功し、「大局観と交渉力と、そしていい意味での駆け引きの技をもっている」と分析。金子氏とは「政治家のキャリアと質は論評するまでもない」と述べた。
安倍政権に話を移し、経済回復の指標として、株が上がり、賃金が上がり、雇用が増えたという3つは「ある意味、うそではないがからくりがある」と指定。アベノミクスはギャンブルで国民を賭場に連れて行く危険な政治をしている。
日銀が大量の金を市場に供給し、日銀自らが株を買い、127兆円に積み上がっている年金の保険料の株への運用比率をこれまでの倍の50%に上げることにより株が上がっている。経済が良くなったからではなく、人為邸に株が上がっている。株が下がったら保険料が棄損され、年金の支給に穴が開く。「こんな危険なことを安倍さんは株価維持のためにやってる」。
賃金が上がったのは名目賃金のこと。大事なのは名目賃金から物価上昇分を差し引いた実質にもらえる賃金が大事。名目賃金の上昇が物価上昇に追い付かず、実質の可処分所得は15カ月連続で減少している。だから消費が落ち込んでいる。それを国会で質問すると安倍首相は消費税を上げたからと言うが、15カ月連続で下がっており、消費税のせいではない。GDPも昨年の後半からずっとマイナスが続いている。
アベノミクスでむしろ地方や一般のサラリーマン、年金生活者の消費をへらすことになり、結果的に消費を落とし込んでいる。輸出が伸びない、消費もだめ、設備投資にもなかなか金が回らず、好循環が生まれるはずがない。
雇用が増えたのは非正規雇用。安倍政権で正規雇用は22万人減った。人口が減少し、出生率が低い。非婚化、晩婚化が大きな要因だが、それをつくりだしている要因のひとつが、非正規雇用が多くなっていること。1988年の全労働者に占める非正規雇用は18.3%。今は38.2%。非正規雇用の55%が年収200万円以下。どうやって結婚し、子どもが産めるか。
どんどん格差を広げているのがアベノミクスの正体。「この道は危ない。この道を行くともっと皆さんが疲弊するし、国が破たんし、年金が大きく穴を開く可能性がある。この暴走を止めなきゃいけない」と警鐘を鳴らし、そのためにも「大事な選挙」。
「新潟4区の総意として仮に相手候補に勝たせたら、今のアベノミクスを新潟4区の人は今のままでよろしいとお墨付きを与えることになるんですよ。いいんですか皆さん、それで」、「そのためにも絶対に負けられない選挙」、「一人ひとりに今の自民党の政治に方向修正させるために、ぜひその先頭に菊田真子さんに立っていただこうじゃないか」と支持者を鼓舞した。
民主党は公共事業費を32%減らした。わずかだが介護の給与を増やし、高校の無償化を実現、診療報酬を加算。公共事業の無駄を削り、人への投資をして地域の安全をつくりだし、農業の所得補償、原発をやめて再生可能エネルギーなど税金の使い道をまず安全からスタートさせた。「地に足がついて、根の張る社会をつくっていこう。それがわれわれ民主党が行ってきたことだし、これをもう一度やらせてほしい」、「今度は何がなんでも小選挙区で当選させてほしい」と求めて締めくくった。