農業はもうからなければならず、家族でやってる農業のように誰かが死んだらやめてしまうことのないよう、農業生産法人にした。生産物を六本木のミッドタウンで販売した。化粧など自分をプロデュースするのは女性の方が得意で、仕事でも化粧をすること、私服で通勤すること、三食しっかり食べることが山形ガールズ農場の三大ルールだ。
サトイモ、ナス、キュウリなどを契約栽培している。ヒモナス、シロナス、ジャンボシシトウ、トマトベリーなど100種類以上の変わり野菜を作る。父は気休めと言うが、農薬の代わりに漢方薬をまく。
天日干しの植物ミスト栽培米を1キロ1,600円で販売する。パッケージをおしゃれにした「カラフルコメライフ」は300グラム480円で販売し、手に取りやすく、そんなに売れないわけではない。
コメは日本がいちばんとは限らず、世界ではポップコーンの香がするコメや緑色のコメもある。日本だけが米食ではなく、日本のコメ文化にはまだ広がりがあるが、「今の若い世代は味おんちです」ときっぱり。品種によるコメの味の違いはわからず、温かければなおさら。
野菜プリンや酒造メーカーに委託して日本酒「山形娘」も作る。日本酒は飲む場所をつくろうと女性限定の試飲会を企画。酒粕も使って酒粕石けんを作り、酒粕ブラマンジェも。一方、これまで150人の女子大生を有料で受け入れ、人も育てる。
この5月には「メイド付き農園」をスタートした。利用者は1区画5坪の自分の農園で好きな野菜を栽培できる、オーダーメイド制のレンタル農園。長期間、来園できないときは利用者に代わってガールズメンバーが野菜を育てる。料金は1区画7万8,400円。どこでも可能なビジネスモデルで、今のところ利用は10組だが、ガールズメンバーがひとり30組でいいので、これから広がりに期待している。
(続く)