これらについて話したあとパネルディスカッションに移った。テーマは「挑戦〜食と農を通じたまちづくり〜」。川瀬会長をコーディネーターに、菜穂子さん、オーガニック&産地野菜カフェ「Vege Table」=三条市本町1=を経営する白鳥賢さん、国定勇人三条市長がパネリストを務めた。
菜穂子さんは収支について1、2年目は赤字、3年目は「ちょっと赤字」。人口減少や高齢化の進行が著しい地方に地域外の人材を積極的に誘致し、定住、定着を図る総務省の「地域おこし協力隊」に任命されて助成金を受け、農業の雇用創出の助成金も受けており、それでメンバーひとり人件費の半分くらいまかなっていると話した。
経営がきちんと成り立つことで「若者の雇用につながる」。いくら若くても、お年寄りの経験にはかわわない。そこでメイド付き農園を考え、誰もいない土俵、サービス業としての農業、体験を売る、喜びを売るなら、若い女子であることが逆に大きなメリットになると発想を転換した。
白鳥さんは価格イコール経営と言われるように、いいものだから値段が高くていいという考えは完全に間違っており、いいものを安く作るが大原則。その解決には生産の効率化が必要で、生産物を評価する人がいないと高く買ってくれないと話した。
国定市長は、生産者と消費者ギャップで埋めていこうというのがまんま塾の設立の趣旨で、現実では金を考える必要があるとした。政府は戸別所得補償制度を設立したが、それによって逆に補償されなくなったものもあり、穴が生まれた。
ある法人はほとんど補助金に頼らざるをえない状況。1本50円のキュウリで満足している人が200円で買うわけがない。代替わりが必要だが、それが進まないのは「要はおまんまが食えないから」。一方で、果樹農家の代替わりがはるかに早いのは「おまんまが食えるから」。
水害前に三条の基本パターンの農家の収支構造を農林課に聞いたが誰も答えられなかった。それから調べたがなかなか成果が上がらず、そもそも農家が自身の経営の収支構造を良くわかっていないことがわかった。
(続く)