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燕三条青年会議所主催「三条市の未来を考える公開討論会」の全文(4) (2010.10.24)
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産業振興政策について
産業振興政策ということでございますが、まあ、あの今、地場産業はグローバルの波に翻弄されて、円高から円安からいろんな影響をストレートに受ける展開でございます。で、この地場産業がどうやって生き残るかといことは、大変なことだろうと思いますが、やはり新産業分野への取り組み、アプローチということは絶対、欠かせないわけでございまして、わたくしは、それはやっぱりテーマはもう皆さんも十分おわかりの通りエコであり、福祉産業であり、新しい形の農業だろうと思っております。
まあ、そういった意味でわたくしはいくつかのテーマがありまして、そのテーマを追及させていただければありがたいなと思っております。
そのエコという分野では、これはやっぱり太陽光発電でございまして、これはスマートグリッド、あるいはスマートシティーとでも名付けられるんでしょうか。それぞれ地域で太陽光で発電をしたのをそこで制御しながら近隣の工場へ電力供給をする仕組みですね。こういう、実験モデル都市として三条はやってみたいなと、こう思っております。
電気をたくさん使う地場産業があるわけですから、民家の屋根に太陽パネルを載せてですね、それを直接、電力会社まで高い送電費用をかけないで、その町内で供給して売電すると、まあ、こんな仕組みでございますね。
あと、福祉は言うに及ばず、先ほどの形のなかで申し上げましたが、だんだんと介護を必要とするお年寄りが増えるわけですから、そういう方たちが自由奔放に事業参入ができるように工夫を重ねていくというようなことも思っております。
それからもう1点、わたしはぜひ当選をさせていただいたら研究テーマとして実現に向けて努力していきたいということで、総合保税地域の地域指定ということを思っております。
保税地域の指定をですね、受けてそのなかで保税加工倉庫、加工工場、そして税関、銀行、そういったものを全部、保税地域のなかに置いていわゆる環日本海じゃございませんが、ロシア、中国向けの貿易基地としてですね、県外からも貨物と人が集まってくるような、そんなゾーニングをこの三条市内につくりたいなあと、こう思っております。
消費税やら関税やらの関係で工夫をすれば大変なコストダウン、あるいは納品の手続きの短縮につながる総合保税地域の地域指定でございます。こんなことも研究しながら取り組んでいきたいと思っております。
まあ、あの事前にJCさんの方からつくってくださいというふうに言われた資料がありますので、それで提出をさせていただいた資料に沿ってお話をしたいと思います。
わたしの方で書かせていただきましたのは2点ございます。1点目はものづくり基盤への支援、それからもうひとつは農産物の販路開拓支援という、2つのテーマであります。ものづくり基盤への支援につきましては、これはもう2年前のリーマンショック、それに伴います世界同時不況のときから三条市も全力を挙げて下支えをしていきたい、お力添えをさせていただきたいと、そんな思いで500億円の一般会計予算のうち60億円だった地域経済の活性化への予算をほぼ倍増ということでの予算組みにしてきたのは、ご案内の通りだと思いますけれども、それは、ただ単に企業さんの苦しい状況をお支えするということではなく、このちょっと字が小さくて恐縮でございますけれども、新製品、技術開発、販路開拓支援であったり、成長産業分野の進出支援ということでの取り組みを一つひとつさせていただいたところでございます。
これについては非常に大きな成果があがっておりまして、現実、1年間の助成で製品開発、技術開発されたものがその1社だけですでに1年間で数千万円以上の売り上げにつながっているというようなケースもかなり出てきております。
こうしたことの一つひとつの積み重ねをやっていきたいと思っておりますが、これについてはまた後半のフリーディスカッションのなかでも言っていきたいと思っております。
2点目の農産物の販路開拓支援については、基本的に農業政策というのは、これは国レベルによって決まっていくのが大半であります。ただ、例えば学校給食、ここにも書いてございます、荒川区、横浜市の学校給食への安定供給ということがありますが、これまでの4年間でまだ1校ですけれども、荒川区の第二峡田小学校という所に三条産のコシヒカリ、全部、荒川区の第二峡田小学校の給食、週3回の米飯給食ではすべて三条産のコシヒカリを今、使って食べてもらってます。
こういうような具体の取り組みを一つひとつ積み重ねていくことこそが、農業の販路開拓にもつながっていくんだろう、それにあわせてブランド力、あるいは情報発信力というものをこれからあとまた残り4分ございますので、時間を上手に使いながら話をしていきたいと思いますが、この2つを車の両輪としながら売り出しをしていくことができれば、これは市町村ならではの農産物の販路開拓につながっていくのではないかと思っております。
農産物の販路対策ということでございますが、わたくしもNPOに所属しておりまして東京までコシヒカリを売りに行ったことがございます。そのなかでつくづく感じるのはですね、やはりコメに代表される農産物、これのマーケティングをですね、生産から販売まできちんとわかる農家の方ですと多分、可能性はあるなあと、こう思います。
あるいは果物なんかまあ、海外に売るということも取り組まれたようですが、まあまあ、遊びの範囲はやめてですね、本当に産業としてきちんとやっていくためには相当、大規模な投資も必要だろうと、こう思っております。
で、それがどういう方向で必要なのか、あるいは生産農家と生産基盤をどう安定的に確保するか。地球の温暖化のなかで大変、あの技術的にもややこしい状況でございますから、その辺の研究対策もおさおさ怠りなくやっていきたいと思います。
農産物の販路開拓について具体のお話が聞けないのがちょっと残念でならないんですけれども、例えばここに書いております学校給食への安定供給ということひとつとって、まず1分間でお話をさせていただければと思います。今、三条市の人口、10万5,000人です。10万5,000人のうち小学生と中学生、合わせて8,500人います。その子どもたちが今、昼間の昼食の時間にご飯をいっせいに食べているという状況です。
荒川区の人口は20万人います。ということは荒川区の子どもたちは1万7,000人いるはずです。横浜市の子どもたちになれば、もっともっと多くなっていくということは間違いない事実であります。
コメの消費量がだんだん減少の一途をたどっているなかにあって、これだけの多くの子どもたちが安定的に確実に食べていくっていうことは、これから先の農産物を考えていったときには、確固たる市場なんだろうというふうに思っております。決して遊びではないと思います。
今ごろの稲刈りの終わった時期、下田村の農家の農舎の方へ行ってみると皆さん、よくわかります。農家個人個人が東京の親せきやら何やらの紹介でそれなりに直販をしておられます。しかしながら、それはあくまでも個人的なレベルでのおコメを売っているという格好なもんですから、まあ、せいぜい30キロの袋で2、30袋くらいなんでしょう。
でも、下田の奥全体で見ますと、これは相当なコメが都会で売られてるなあと。こういったことのですね、くみ上げを組織的にやってけば、かなりおもしろいことができるなあと実は思っております。
これをあの具体論で云々かんかんとまあ、この先ほどから盛んにおっしゃっておられますが、要はコメの消費ということになりますと、ブランド化も大事ではございますけれども、それ以上にやはりあの生産現場を見てもらう交流とかですね、いろんな側面支援も大事だと思っております。
先ほど2つテーマを掲げさせていただきましたが、ものづくり基盤への支援というのは、わたしは3つの方向感があるんだと思っております。具体には、もうこの3つの方向感での各種支援策を始めておりますけど、ひとつはあらかじめ定めた大きなプロジェクト型の開発支援をしていこうということであります。
今、現実に進んでおりますのは、小型風力発電の開発でございます。2点目はこれ、今まさに公募をかけている状況ですけれども、これから先の三条の幹を育てていくために、コンソーシアムとしての手をあげていただきたい。これが2つ目の策であります。3つ目は、これだけ多くの企業さんがあるわけですから、それぞれの個々の企業さんが開発したい、販路を開拓したいということに対して一つひとつ手助けをしていく、この3つの方向感がこれから先のものづくり基盤への支援という意味では引き続き重要なんだろうなあというふうに感じております。
金属加工の町としての歴史と伝統もあります。しかしまあ、リーマンショックに見られますように、一気に自動車産業がパンチを食らうと、くしゃみどころじゃなくて、ほんとに風邪をひきかねない企業が出るという、それくらいストレートな反応がくる加工の町でございます。
で、従前通り金融支援やですね、あるいはその販路の支援と言っても、本当に企業が生き残るためのアイデアなり、販路開拓なりは、最終的に企業自身の体力、それから企業自身の後継者への世代の継続って言いますか、こういった態勢がきっちりできておりませんと、ものづくりの基礎も根本から揺らぎかねないと、こう思っております。
その辺への支援体制、切り込みも形として企業経営者の方々と具体論をまじえて相談を重ねながら工夫をして制度をつくってまいりたい、事業をやっていきたいと思っております。
各分野にわたって少し具体的にずーっと積み重ねていきたいと思います。観光の分野も大変、重要な産業であります。下田地域においてはやはり観光がこれから先の産業としては重要なんだろうと思っております。
2年後には国道289号線の八十里越え、県境トンネルが暫定供用ができるんじゃないかという見込みがたっております。これまで2年間、国土交通省に働きかけてきた結果、その暫定的な供用の道筋がようやくできつつあるわけでございます。
ですからこれから先の2年間をかけてとりわけ下田地域においては、ハード、例えば白鳥の里公園であったり、吉ヶ平の工船整備事業とゆったこと、あるいはソフト、悟空のレストランの改修をして、例えば地産地消レストランを開くとか、今もすでに取り組みとして始めておりますけれども、農産物の直売所、こういうもののネットワークをどんどん情報開示をしていくということが重要なんだろうと思っています。
八十里が開通して東京からですね、東北高速道路、磐越、そして只見へ来て八十里を越えて寺泊で魚を買っていただく方々。こんな方々が大勢増えるといいがなあと、こう思いながら八十里の開通をずーっと楽しみにしてまいりました。
そういう形の中では一方ではこの環境の変化という形のなかで、クマやサルが出てきて、そしてヤマヒルが暴れる形のなかで、観光ということでですね、都会から人を呼び込むということは大変な工夫がいります。
しかしながら大変、立派な観光資源があることも事実でございます。海外の中国人の方から見れば、あの諸橋記念館は大変な財産でございます。また、嵐渓荘のようなああいった施設の宿も大変、珍しがられる観光資源になる。こんなことを頭のなかに入れながら、わたくしはやっぱり海外からのそういったお客さんも上手に呼び込む工夫を一方ではしていきたいと思っております。
今度はその、いろんなものを見える化していくということについてお話をしたいと思います。三条の誇れるもの、たくさんあります。技術力、そして企画力、さまざまなものがありますけれども、これは見える化してわかりやすくPRをしていかないと、なんの意味もなさないわけであります。
そのために具体の取り組みとして何が必要なのかということを考えると、やはりここは一歩一歩、着実に見本市の機会であったり、物産市の機会であったりといったことをとらえて三条の技術のすばらしさということをすばらしいデザイン力でもって見える化してゆく、見せる化してゆくということが大切であろうと思っております。
今、燕三条ブランド、あるいは独自ブランドのなかでそういう見せ方の努力を始めて2年たちました。非常に多くの県外の皆さま方からの引き合いが始まっておりますけれども、こうした技術の見える化をもっと細かく例えばモータースポーツだったら、モータースポーツというところに特化してやっていくということも、ひとつ重要なテーマなんだろうと思っております。
教育(6歳就学〜大学教育まで)→
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