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燕三条青年会議所主催「三条市の未来を考える公開討論会」の全文(6) (2010.10.24)
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行財政改革・行政サービス
えー、少子高齢化、それからまあ、経済のいろんな波のなかで、地方財政が苦しいということはもう皆さまも十分、おわかりだと思います。そのなかで要求される市民サービスの部分をどう確保していくか。要はお金がないわけですから、市民の皆さま方から我慢をしていただくか、協力していただくかしかないわけであります。
そうすると我慢をしていただく部分は、どの部分を我慢していただくか。そしてご協力いただく部分はどの部分をご協力いただくか。これの仕組みづくり。それと歳入増に向けてのふだんからの努力。まあ、こういう節約、もちろん節約もあわせてやらなくてはなりません。
これをまあ総合的にやって生き延びていくことを段取っていくわけでございますが、今ここでですね、わたくしは皆さま方に提案したいのは、その、住民基本条例なるものをですね、きちんと定めて、ここに住んでるわれわれ市民の権利と義務とでも言いましょうか、そういったものを明確にしてですね、そしてこのまちづくりに市民の義務、こういうことでまちづくりに参加します、お手伝いします、そういったことを条例で定め、あるいは権利も定め、まちづくりの第一歩をスタートさせたいな〜と思っております。
最近のいわゆる公共という概念がですね、ひと昔前と変わったと、こう言われております。この概念をこう追及してまいりますと、もうやっぱり市民の皆さんが行政の至らざるところを補う、こういうことがシステムとしてできなければ、やっていけないところまで早晩、確実に来るだろうと、こう思います。
そうすると市民の皆さんからご協力いただく、お手伝いいただく部分はどの部分なのか。まあ、そんなことを一つひとつ議論を重ねながら検討して洗い出していかなくてはなりません。これは、理事者側がですね、役所の理事者側だけがですね、どっかの会社経営と勘違いしてですね、政治は生身の人間を相手にするわけですから、単なる数字の高い、安いだけで判断すると行政の執行を間違えてしまいます。
それだけで行政の仕組みを、あるいは経営戦略というものをこしらえてしまえば、痛みだけを市民に与えることになりかねない。このことについては非常に慎重に民営化にしてもですね、あるいは民間委託にしても、あるいは職員の臨時化にしてもですね、一つひとつ考えていかなくてはならないと思います。
まあ、あの、公開討論会ですので、やっぱり具体的に何をしていくのかということを掲げていくことが大切なんだろうと思っております。皆さま方にお手元にお配りをしておりますけれども、行政サービス、財政運営上の課題ということで、やはりここはしっかりと目標を定めていかなければいけないというふうに思っております。
具体的に行財政改革の推進というところの数値目標でございますけれども、新規の職員数を約160人削減を4年間でしていこうということ。それから、それも含めて政策的経費ですね、あしたの三条市をつくりだすための予算をさらに5億円、毎年、上積みをしてゆきましょうということ。
それからこれまでの重ねてきた借金が占める割合ですね、予算のなかに借金を返すために占める割合。これを実質公債費率というんですけれども、これを2%、2ポイントていど引き下げていきましょうということを具体の目標として掲げさせていただいております。
実際に行政経営を考えていったときに、より高度な行政サービスを提供していくためには、やはりわたしたちの自由に使えるお金が必要になります。ただ、残念なことに今の状況を考えると、どこをしっかりとしぼっていくことができるのかといったことを考えたときに、いちばん大きな財源としてしっかりと見定めていかなければいけないのは、これはもう、人件費のほかございません。この人件費をどれだけ質を低下させることなく削減していくのかということが非常に重要であります。
幸いという言葉を使っていいかどうかわかりませんけれども、三条市の職員の年齢別のピラミッド構造もですね、段階の世代の方々が非常に今、多い状況になっております。そうしますと、これを入り口、つまり新規採用のところで例えば10人ていどということで毎年、しっかりと歯をくいしばって抑制しながら採用してゆくことができれば、4年間で確実にこの職員数が減っていくことができるようになります。これは決して無理な政策ではなく、現実にやっていくことができるんだと思っております。
これから後半のなかで職員の皆さんの意識をどれだけ維持をしながら、こうやってコンパクトな市役所づくりをしていくのかと、してきたのかということと、その延長線上にあるこれからの取り組みについて時間の許す限りお話をさせていただければなというふうに思っております。
市民が本当に必要とする高度な行政サービスと、まあ、こういう言葉になるんでしょうか。高度な行政サービスって一体なんだろうと、こういうことでございます。市民それぞれ高度な行政サービスってのは、意味も方法も内容も違ってくると思います。
そんななかでいちばん基盤になるのは財政の話ですから、この4年間で、今、戦略プログラムの資料をいただいて、こう見ておりますと、93.5でございますね。あの、経常収支比率。望ましい数字は85と、こう言われおりますが、あるいは実質公債比率は17.0、望ましいあるべき姿は16.0と、こう言われております。
まあ、財政調整基金も33.7億。じゃあ、この4年間でどれだけこの数字が引き下がってきたのか、ぜひその自慢話をこの場で聞かせていただきたいんです。そんなに大げさな高度な行政サービスを生み出すためによほど余裕財源ができたのでありましょうから、まず、その辺からわたし、逆にお尋ねしたい。
おかげさまで実質公債費率、いちばん最初の危険水域ゾーンは18%というふうに言われておりますけれども、この4年間、新市建設計画の見直しをはじめとして、いろんな財源の留保をさせていただきました。
おかげさまをもちまして、18%台後半にいっていた実質公債費率が今は17%にきているということで、安全水域に入っているということであります。
ここに書いております具体の目標というのは、それをさらに2ポイント引き下げていこうということであります。先ほどの学校の耐震化も、もしこの4年間の間に財源の留保ができていなければ、これだけの数の学校の改築に対して、後年度にさらなる負担を求めることなく、しっかりと財源捻出できたことはなかったと思っております。
それはささやかながらの、もしかしたら自慢話になるかもしれませんけれども、これまでの4年間、財源留保ができたからこそ、学校の改修に対する用地費が捻出できたということであります。
財源ができたら学校の改築に取り組める、その学校の改築の目標、その理由そのものがですね、あまりにも独善的ではないかと、こういうことでわたくしは議論をさせていただいてるわけでございまして、本当に国家百年の計の教育につぎ込むと言うことであれば、それは大事な虎の子のお金をつぎ込むということは当たり前でございますが、その方法と目的に向かってこの中途半端な議論だけでですね、余裕財源ができたと言いましても、もっとほかにその財源をつぎ込むことがなかったのか。
しかも下田の合併のときのですね、下田の財源、まあ、81%減と、こういう数字が出ておりますが、よそを削ってそこへもってきたような形が見えておるわけでございます。
そんなことをいろいろ考えてまいりますとですね、お金をきちんと節約を重ねて新しい財源をつくるというのは、これは異論はありません。しかしながら、どこへつぎ込むか議論をきちんとしていただきたい。
まず一言、下田地域の新市建設計画の見直しというのは、事業規模、事業の目的はしっかりと担保しながら、いかに効率のいい財源に振り分けていくかということの作業の結果でございます。結果の数字だけを一人走りさせるというのは、極めて危険だということであります。
そして意識改革の話をさせていただきたいと思いますけれども、行財政改革のなかで一は、いちばん大切なことというのは、職員の意識レベルをどうやって維持、向上させていくのかということであります。
確かに職員の数をこれから先、減らしていきますよということだけでは、非常に強圧的になってしまいます。ここをどういうふうにモチベーションを職員のみんなと一緒になって取り組みながらやっていくのかということが非常に重要でありまして、これまでの4年間、かなりそこについては意識を砕いてきたところでございます。これについて次のあと残る2回、2分間で話をしたいと思います。
わたくしは、このですね、意識改革、職員の意識改革云々とこう、おっしゃいましたけれども、その、行政執行のその目標とでも言いますか、目的、ターゲットが市民の幸福ということにあるわけでございますので、例えばひとつの例をあげますと、受益者負担なんていう言葉がありますね。こういう厚生会館とか、公民館とか、いろんな受益者として負担をするとき、この負担の料金の見直しを例えばやる。そのときにですね、高いか安いかという議論をいったいどういう価値基準、どういう判断でやっていくのか。このことをきちんと市民に提示して議論に突入するという作業が必要なわけですが、多分、そうはなさらないだろうと思います。
すなわち、まあ合理的な、なんて言うんでしょうか、邪魔者が出てこないような議論をしたいということであればですね、その受益の負担と方法について、あれでございますね、あのわたしはまだまだ一言、申し上げたい。それは後に譲ります。
そこで意識改革ですけれども、ここは非常に重要であり、なおかつシンプルであります。まず組織体としてわたしたち三条市はどっちの方向を向いて仕事をするんだという意識合わせをする必要があるわけです。
これはもう極めて単純であります。どっち向いて仕事をしてるんだと。やっぱりそれは市民でしょと。市内企業さんでしょと。いうことの2つに尽きるわけですけれども、この意識付けをどういうふうにもっていくのかということを考えていったときに、やはり上からわーわー言ってしまっては、どうしても組織というのは委縮してしまいます。
そこでこの2年間、例えば総合窓口を作ってきた過程のなかで、当時の市民課、大いに苦しみました。最初の1カ月はどうして自分たちが総合窓口を作っていかなければいけないのかと、本当に不満が出ておりました。ただ、ここに1カ月間、外からもアドバイスをいただくなかで、後半に入ります。
今、いろいろおっしゃいましたけれども、どの方向を向くかって、それはまあ当然、市民の方を向いて向いてでございますけれども、市民と対話をするコミュニケーションをとりながらですね、あらゆる改革に取り組んでいかなくてはならないと思います。
なぜならば、それは利害調整ですから時にはその利害調整の場で市民の考え方と対立することもあるでしょうけれども、要はその、優先順位の付け方になるわけでございますから、その優先順位の付け方によっていくわけでございますから、市民との議論は、その優先順位をつける作業のなかにおいて積み重ねていって比較、対照しながら順番をつけて、あるものは断念、あるものは推進と、この繰り返しだろうと思います。
そうすると必要なことは、独りよがりな経営計画ではなくて、やはりその、市民の本音と言いますか、いちばん必要とされる価値判断をどのようにやるかという、コミュニケーションがいちばん大事になってくると思います。
まあ、そこで意識改革を取り組んでいくときに、実は外から外部の経営コンサルタントに入っていただきました。この経営コンサルタントはふつうに良くあるように1日だけ来てすべてそれが終わりよということではなくて、2カ月間、びっちり市民課に一緒に入っていただきました。
朝から晩まで一緒に仕事をして、夜は一緒に酒を酌み交わし、そしてそれを毎日2カ月間やりました。そのうえで自発的に市民課の職員が、ここはこういうふうに直していったらいいだろうということを上手に自分たちの自らの提案でこの総合窓口をやっていきたいんだというふうな方向に変えることができました。
今、この市民窓口課に始まった自発的な改善事業というものが、いろんな課にまたがってきております。今、すべてで8課以上の課でこうした取り組みができるようになってきたということは、意識改革の結果、現れだと思っております。
最後のメッセージ→
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