しかしながら私は今もってなお出口を見い出しきれずにいる、か弱い人間のひとりであります。ただし、今、ひとつだけ確信をもっているものがあります。それは、国民一人ひとりがひとり残らず本当にこの国難に対してしっかりと向き合い、一人ひとりがしっかりと心掛けをしていくなかで、歩みを進めていかなければ我が国の将来というものは決して成り立たないということであります。
わたしも、これまで被災地に何度か入りました。今もってなお、まったくと言っていいほど前に進んでいる状況ではありません。もし、この1年間の間に皆さんが被災地に入って行ったことがないのであれば、ぜひともお勧めしたい。被災地に一度は入り込んで、これまで入ったことがある方がいらっしゃれば、二度でも三度でも入り込んで、40年生きてきた私だって味わったことのない、経験をしたこともない、この国難とも言うべき経験をぜひとも目の当たりにしてください。そして多くを経験してください。
私は、そうは申し上げても、もうすでに40年を生きた壮年であります。皆さんは違うはずです。20歳という非常に感覚に優れた、いろいろなことをしっかりと味わい、感じ取ることのできるような素晴らしい感受性の持ち主が皆さんであります。
どうか被災地に行ってさまざまなことを感じ取って思い悩んで苦しんで、そのうえでこの国の発展のために何ができるのかということを一人ひとりが自覚をしていってもらいたいと切に願っております。
その皆さま方の一人ひとりの行動が間違いなくこの国、そして三条市を健やかで健全で幸せなまちに発展をしていく、その道しるべになるはずであります。あらためて皆さま方の輝かしいこれから先の将来を心から祈念を申し上げ、式辞とさせていただきます。本日は誠におめでとうございました。